転勤などで自宅を離れる場合に
一時的に自宅を賃貸に出されることがありますが、
転勤先に落ち着くことになり売却のご相談を頂くことが多くあります。

賃貸中の物件を売り出す場合は、
一般の居住用の物件と異なり、
査定額が低くなってしまうことがあります。

その理由としては、
賃貸中の物件は投資目的での購入となりますので
現在貸されている賃料から逆算して査定を行います。

例えば賃料が10万円であれば、
年間120万円の収入が得られますので利回りを8~10%で計算すると
1200万円から1500万円が査定額となります。

比較的新しい物件でしたら修繕費や現在の入居者が退去しても
次の入居者が決まりやすく空室のリスクが小さいので
利回り8%でも買い手が見つかるケースがあります。

しかし、古い物件ですと修繕費もかかりますし、
空室のリスクや将来的な解体費用も考慮しなければなりませんので
利回り10%以上なければ購入者が見つからないケースもあります。

一方で居住用の物件については、
投資用で購入される方よりも
自己の居住用として購入を検討される方が多く、
売却がしやすくなります。

また居住用であれば投資用と違い、
収益を考慮しませんので市場価格での販売が可能となります。

賃貸中の物件を販売する際に難しい点は他にもあります。

建物の中を購入者が確認できないことが多く、
購入される方のリスクが高いことがあります。

では、賃貸中の物件を売却するために賃借人に
退去のお願いをできるかどうかですが、
一般的な借家契約の場合は、契約期間を定めていたとしても
入居者の希望により更新することが可能です。

貸主側から更新を断るには正当な事由が必要とされ、
物件を売却したいからという理由では
賃貸借契約の解約はできないとされています。

自宅を一度賃貸に出してしまうと、
いざ売却や別の場所で新居を持ちたいときに困ることもあるので
良く不動産会社へご相談されることをお勧め致します。