記事をご覧の皆様、こんにちは!
出張ふどうさんの校長代理、ハッピーでございます。
前回、イグ・ノーベル賞を受賞した「歩きスマホ」の研究が、
実は不動産の快適性や価値に繋がっているという、ちょっと面白いお話をいたしました。
今回は、皆様からご要望がありましたので、その研究が導き出した「歩きスマホをする人を避ける、
最も安全で効率的な方法」について、具体的にお伝えしたいと思います!
🏆 イグ・ノーベル賞研究が示す「歩きスマホの避け方」
2021年のイグ・ノーベル賞・動力学賞を受賞された、東京大学の西成活裕教授と
フェリシャーニ クラウディオ特任准教授らの研究は、数理モデルと実験により、
「歩きスマホをしている人がいる環境で、いかに衝突を避けてスムーズに歩くか」を解析しました。
その研究から導き出された結論、それは――
「歩きスマホをしている人を避ける際は、できるだけ早く、
大きな弧を描いて距離を取る(大きく迂回する)ことが、全体として最も効率的で安全な方法である」
というものでした。
🚨 なぜ「大きく迂回」が最適なのか?
彼らの研究では、携帯電話に注意を奪われている人は、周囲への注意力が極端に低下し、
予測不能な動きをしがちであることが分かりました。具体的には、
- 回避行動の遅れ:ぶつかりそうになってから急に立ち止まったり、進行方向を変えたりします。
- 空間の私物化:自分の注意が画面に集中しているため、無意識に周囲のスペースを自分のものだと錯覚し、他の人の邪魔になっていることに気づきにくい状態になります。
これに対し、周りの人が「細かく、ぎりぎりで避けよう」とするとどうなるでしょう?
- 相手の不規則な動きに巻き込まれて、かえって衝突の危険が高まります。
- 避け方が小さすぎると、避けられた歩きスマホの人が、今度は後続の人の邪魔になるという
「渋滞の連鎖」を引き起こしてしまいます。
つまり、歩きスマホをしている人を見つけたら、相手の「予測不能ゾーン」から早めに脱出し、
大きな弧を描くように避け、安全な距離を保って通過する。
これが、自分も周りもストレスなく歩くための、科学的に証明された「最適解」なのです。
🏢 不動産の設計にも活かされている「避け方」の知恵
この「避け方」の知恵は、まさに不動産の空間設計にも応用されています。
- 広い共用部:駅直結のオフィスビルや、大規模マンションのエントランスが
ゆったりとした空間になっているのは、まさにこの「予測不能ゾーン」を広く取り、
人々が自然と大きな弧を描いて移動できる余裕を持たせるためです。 - 導線の設計:通路の角を丸くしたり、障害物を置かないようにしたりするのも、
人々が無意識のうちに衝突を避け、スムーズな「迂回」ができるように配慮された結果です。
私たちが何気なく「歩きやすい」「快適だ」と感じる空間は、こうした人間行動の動力学に基づいた
研究や知恵が活かされているからなのですね。
皆様の不動産選びや日常の歩行に、この「大きく迂回する」というイグ・ノーベル賞の知恵を
役立てていただければ幸いです。
引き続き、出張ふどうさんを宜しくお願いいたします。
出典元
- 2021年イグ・ノーベル賞 動力学賞(KINETICS PRIZE)受賞研究
- 受賞者:西成活裕教授、フェリシャーニ クラウディオ特任准教授 ほか
- テーマ:「歩行者の邪魔にならないよう、歩道で携帯電話を使用している人を避ける最も安全な方法」
- 研究結果の要旨:歩きスマホの人がいる場合、周囲の人はできるだけ早く、大きく迂回して距離を取る(大きな弧を描いて避ける)ことが、衝突を避け、人流全体の流れを乱さない最も効率的で安全な方法である。
この記事は、校長代理のハッピーが執筆いたしました。