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皆さんこんにちは!大村市の初心者向け不動産学校、課長代理のハッピーです。
今回も読者の方から頂いた、家づくりに関する非常に重要なお悩みにお答え致します。
これから土地を買って家を建てようと考えている方、
特に下水道が未整備の地域を検討されている方は必見の内容です。
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【今回のご質問】
「家を建てたいのですが、前面道路に下水が来ておらず、浄化槽を設置する必要があります。
排水を流すために近隣の方の承諾が必要と言われたのですが、なかなか承諾が得られません。
法律的に接続を拒否することはできないと聞きましたが、本当でしょうか?根拠も教えてください。」
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【ハッピー課長代理の回答】
結論から申し上げます。 法律上、正当な理由なく隣地の方が排水管の設置や接続を
拒否することはできません。
以前は少し曖昧な部分もありましたが、実は近年の法改正によって、
あなたの権利はより強力に、そして明確に守られるようになりました。
お相手に感情的に反論するのではなく、「法律ではこうなっている」という事実を
冷静に知っておくことが、解決への第一歩です。
具体的な根拠条文を挙げて解説致します。
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📘 根拠その1:民法第213条の2(継続的給付を受けるための設備の設置権等)
これが最強の根拠です。令和3年に改正され、
令和5年(2023年)4月1日から施行された新しい民法のルールです。
これまでは「他人の土地を使わせてもらう」という解釈でトラブルになりがちでしたが、
この条文により、電気、ガス、水道、そして「排水」などのライフラインを通すためなら、
必要な範囲で他人の土地に設備を設置したり、他人の設備を使用したりする権利が明確になりました。
出典:民法第213条の2 第1項 「土地の所有者は、他の土地に設備を設置しなければ
電気、ガス、水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができないときは、
その必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用することができる。」
つまり、生活に不可欠な排水を通すためであれば、
お隣さんは正当な理由なく拒否することはできないのです。
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根拠その2:民法第220条及び第221条(水流に関する権利)
こちらは以前からある法律ですが、排水に関する権利を定めています。
出典:民法第220条(低地の通水義務) 「高地の所有者は、その高地が浸水した場合に
これを乾かすため、又は自家用若しくは農工業用の余水を排出するため、
公の水流又は下水道に至るまで、低地に水を通過させることができる。」
出典:民法第221条(通水用工作物の使用) 「土地の所有者は、その所有地の水を通過させるため、
高地又は低地の所有者が設けた工作物を使用することができる。」
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ただし、守るべきルールもあります
法律で権利があるからといって、勝手にどこでも掘っていいわけではありません。
以下の配慮義務も法律で定められています。
- 場所と方法の選択(民法第213条の2 第2項) 他人の土地への損害が最も少ない場所や
方法を選ばなければなりません。 - 償金(使用料)の支払い(民法第213条の2 第3項) 工事のために土地を使用する場合や、
設備を設置し続けることに対して、相手に一時金や継続的な使用料(償金)を支払う必要があります。
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まとめと対策
法的な結論としては、「接続は拒否できない」というのが正解です。
しかし、これから長いお付き合いになるご近所さんです。
「法律で決まってるから!」といきなり強行突破するのは得策ではありません。
まずは、今回ご紹介した「民法第213条の2」という明確な法的根拠があることを、
不動産会社やハウスメーカーの担当者に伝えてください。
プロが間に入り、「法的には設置権が認められており、拒否しても裁判になれば
設置が認められる可能性が極めて高い」という事実を丁寧に説明すれば、多くの方は納得されます。
それでも解決しない場合は、弁護士等の専門家へ相談することをお勧め致します。
まずは知識という武器を持って、落ち着いて交渉を進めていきましょう✨
大村市の初心者向け不動産学校、課長代理のハッピーでした!