大村市は海に面しており、山にも近い自然豊かな場所です。また、長崎市や佐世保市といった都市部に近くベッドタウンとしても人気のエリアです。大村市に住みたいと考えている人は多く、人口も増えています。

大村市は、全国平均に比べ平屋の建築率が高い地域です。そこで本記事では、なぜ平屋が多いのか、平屋に住むメリットと費用について紹介します。

大村市は平屋住宅の割合が高い?

大村市は、全国平均と比較して平屋住宅の建築割合が高いというデータがあります。

ここでは、全国平均と大村市のデータを比較し、なぜ平屋の割合が高いのかについて紹介します。

全国平均と比較

2019年に公開された政府の住宅・土地統計調査統計のデータを見ると、全国で一戸建てが約3,208万棟あるうち平屋住宅の数は約488万棟でした。割合にして約15%です。

一方の大村市は、一戸建てが27,300棟あるうち平屋住宅が6,800棟あり、割合にして約25%です。さらに長崎県全体では、約30%が平屋住宅でした。

エリア平屋住宅の建築割合
全国平均約15%
長崎県約30%
大村市約25%

大村市を含め長崎県内では、平屋住宅の割合が高いことがわかります。それにはいくつかの理由があります。詳しく見ていきましょう。

土地が安い

平屋で二階建てと同じ居住スペースを確保するためには、1階部分だけで2階分のスペースが必要です。つまり二階建てと比べて建築面積が2倍近く必要です。それに伴って敷地面積も広くなくてはいけません。

また、平屋は四角く作ってしまうと中心部の採光がとりづらく、暗くなりがちです。そこで、中庭を作ったり、コの字型にしたりと形を工夫する必要があります。この点からも平屋は広い土地が必要だということがわかります。

大村市は全国的に見て土地が安いため、広い土地を確保しやすくなります。よって、平屋を建てるのに向いています。

山に囲まれている

山に囲まれている大村市は、平屋のデメリットを補ってくれます。

平屋のひとつ目のデメリットは、日当たりです。

平地に平屋を建てた場合、南側に2階建て以上の建物が建つと、陰になってしまい日当たりが悪くなります。

しかし、山に囲まれて起伏がある場合、高台や南向きの斜面に平屋を建てることによって、1階の高さを周りより高くすることができます。よって山に囲まれている大村市は、日当たりのデメリットを補ってくれる土地が見つけやすくなります。

平屋の2つ目のデメリットは水害です。

近年、全国各地で大雨の洪水による被害が増えています。平屋の場合、床上浸水になっても2階に移動することができません。よって洪水によって全てが水につかるリスクがあります。

しかし、高台や斜面に建っている建物の場合、水の逃げ道ができるため、水が貯まるのを防いでくれます。よって、山に囲まれている大村市は、浸水被害を免れる土地が見つけやすくなります。洪水や土砂災害のハザードマップは大村市防災マップにより確認できます。

なぜ平屋住宅は人気なのか?

庭のある平屋建て

平屋はいままでシニア層に人気の住宅でした。しかし、今では若い世代にも人気が出ています。その理由について紹介します。

購入費・維持費が抑えられる

平屋と二階建てを比較した場合、同じ間取りで同じ広さであれば、坪単価はそれほど変わらないといわれています。しかし平屋の場合、階段が不要で廊下も小さくて済みます。さらにトイレや洗面所といった水回りも1つで済むため建築費が抑えられます。

また、家を購入したら定期的にメンテナンスをしないといけません。メンテナンスには意外とお金がかかります。しかし、平屋では外壁や屋根のメンテナンスをする際に、足場を組む必要がありません。よって、メンテナンス費を抑えることができます。

さらに、構造がシンプルなため、リフォーム代も少なくて済みます。たとえば生活スタイルが変わり、間取りを変更したくなっても比較的簡単に希望の間取りに変更できます。

耐震性が高い

一般的に二階建てより平屋の方が耐震性は高くなります。平屋は二階建てのように、上に重たいものがないからです。地震が起きた場合には、階数が高く上が重いほど、建物が振り子のように揺れて、揺れが大きくなります。

平屋の場合、地面に近い高さに重量が集中するため、安定しやすく地震の影響を受けにくいです。

バリアフリー

身体障害者やお年寄りにとって、段差は大きな障害になります。階段の上り下りは大きな負担です。また、小さなお子さんにとって階段は、転落する可能性がある危険な場所です。家庭内の事故死の約20%が階段などにおける転落死といわれています。

平屋にすることで危険な階段をなくすことができます。

階段のない住居としては、マンションもあります。しかしマンションの場合、騒音などで隣人トラブルが起こる可能性があります。平屋では、子供の泣き声や足音を気にすることなく、のびのびと子育てできます。

また、家事がしやすいのも平屋の特徴です。

洗濯物を干すときにベランダまで重い洗濯物を持って行く必要がありません。また、面倒な階段の掃除をする必要もありません。毎日のことなので、家事のしやすさは重要です。

天井が高く、お洒落な間取りが可能

平屋の場合、2階の重さを支える柱が必要ないため、構造をシンプルにすることができます。よってデザインの幅が広がり、お洒落な間取りにすることが可能です。さらに天井を高くすることで解放感を演出できます。

大村市で平屋住宅に住むにはいくら必要?

平屋のメリットに魅力を感じると、平屋に住むにはいくら必要か気になる人も多いと思います。平屋住宅の建築費用について紹介します。

そこでまず始めに、住宅金融支援機構の2020年度集計表をもとに、長崎県の坪単価を見てみます。

建築費(万円)住宅面積(㎡)平均坪単価(万円)
注文住宅の建物費用3,043.5113.081.7
建売住宅の建物費用3,454.2106.598.3

この平均坪単価をもとに、一般的な平屋の平均価格を計算します。

一般的な平屋の広さは、2人家族で24坪、4人家族で30坪程度です。よって今回は30坪の平屋を購入すると想定して計算します。

注文住宅の場合

所有している土地に注文住宅を建てる場合について計算します。注文住宅は、好きな間取りで建てられるのが魅力です。

長崎県で注文住宅の建物のみを建てた場合の平均坪単価は81.7万円/坪でした。よって、30坪で2,451万円になります。

この建築費用に追加で土地の代金が必要です。

建売住宅の場合

建売住宅の場合、平屋の物件を探す必要があり件数が絞られますが、注文住宅と同じ広さでも低価格で購入できるメリットがあります。

長崎県の建売住宅の平均坪単価は、98.7万円/坪でした。よって、30坪で2,961万円です。

また、建売住宅は注文住宅と違って既に完成しているので即入居できることも大きなメリットです。

地域の事情に詳しい不動産会社に相談する

長崎県は他の県と比べて坂が多く、土地が安いのが特徴です。それらの特徴は、平屋の建築条件にピッタリです。また、大村市は、自然豊かな土地でありながら、都市部へのアクセスも良く、住みやすいエリアといえます。

大村市で平屋を建築する場合には、地域の事情に詳しい地元の不動産会社に相談することをおすすめします。平屋は建てる場所が重要です。広い土地を確保しなければいけませんし、周りに高い建物があってもいけません。水害を避けるには川の近くも避けた方が良いでしょう。

条件をクリアした土地を見つけるには、地域の事情に詳しい地元の不動産会社が1番です。