家の購入は人生でもっとも大きな買い物と考えられています。

家を購入するタイミングは人により異なりますが、結婚や出産、子供の独立など重要なライフステージに立った時のほか、近年では老後の住み替え、地方移住といった目的で購入する方も増加しています。

一方、不動産価格は景気や金利の動きの影響を強く受けるため、できるだけ買い時かどうかを見定める意識も大切です。

そこで本記事では家を購入すべきタイミングを大村市の不動産事情をもとに解説します。

2024年は買い時?不動産の買い時を見定めるポイント

実際に不動産が買い時かどうか見定めるには、以下のポイントを押さえることが大切です。

金利の状況から考える

一般的に住宅ローン金利と不動産価格は反対の動きをします。

金利が上がると不動産価格は下がり、金利が下がれば不動産価格は上がるのが基本です。

住宅ローン金利が低ければ、少ない利息で借り入れができるため、家を購入したいと考える人が増え需要が高まるためです。

現在、日本では日銀による金融緩和政策が行われているため、購入しやすいタイミングといえます。

しかし、昨年末に日銀が長期金利を長期金利の変動幅を拡大した影響で、民間金融機関では固定金利が上昇傾向にあります。

以下は民間金融機関の住宅ローン金利推移を表したグラフです。

出典:住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」

1990年代初頭とそれ以前で、金利が大きく変化していることが読み取れます。

グラフの開始年である1984年の住宅ローン金利は8%を超えており、今では考えられない水準です。

一方、まだ低い水準にあるとはいえ、2021年以降の動きを見ると、固定金利が上昇し始めていることが分かります。

変動金利は変わりありませんが、固定金利の上昇に遅れて上がる可能性が考えられます。

住宅価格の推移から考える

次に住宅価格の推移から、今が買い時なのかどうか考えてみましょう。

以下は全国の住宅の不動産価格指数を表したグラフです。

出典:国土交通省「不動産価格指数 令和4年10月・第3四半期分」(令和5年1月31日)

これを見ると、マンションの上昇率が突出して高いと分かりますが、戸建て住宅も2020年頃から大きく上昇し始めています。

不動産価格が上昇した要因として、日銀による金融緩和があげられますが、最近では建築資材や人件費の高騰、円安などの影響も考えられます。

一方、国土交通省の調査によると、地価の全国平均価格は昨年比で0.3%下落しています。

住宅ローン金利の上昇に伴い、住宅価格もこれから下落に向かい始めることが予想されます。

支援制度から考える

家を購入するときに活用できる支援制度として、住宅ローン減税(控除)があります。

住宅ローン減税とは、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得または増改築などをした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除できる制度のことです。

また、すまい給付金という最大50万円を受け取れる給付金制度もあるため、購入時にかかる初期費用もの負担もある程度は軽減できるでしょう。

大村市の不動産事情と今後の見通し

以上を踏まえたうえで、長崎県大村市の不動産事情と今後の見通しを考えてみましょう。

大村市の大きな特徴として、人口数が50年近く連続で人口が増加している点があげられます。長崎県および九州全体で人口が減少傾向にある中で、非常に珍しいケースといえるでしょう。

なお、国立社会保障・人口問題研究所が、2018年に発表した「大村市の人口の見通し」では、2020から2030年の10年間で、大村市の人口はほぼ横ばいになると予測されていますが、住宅を購入する世代である30~40代の人口は減少する見通しです。

以上の予想から、これから数年間は大村市の人口が大きく減少することはないものと推測されます。
ただし、少子高齢化に加え東京一極集中などの問題もあり、地方の人口減少は避けられない状況なので、将来的には転じる可能性も考えられます。

一般的に人口の増減は不動産に強い影響を与えます。そのため、大村市の不動産価格も人口が減少局面に入れば下落する可能性が考えれますが、今後数年間は大きく下落する可能性は低いでしょう。

まとめ

日銀による長期金利の上限引き上げにより、住宅ローンの固定金利が上昇傾向にあります。

住宅ローン金利の変化は、不動産市況に大きな影響を与えるため、今後、不動産市場は変化を迎える可能性があります。

不動産購入を検討中の方にとっては、住宅ローンの上昇はデメリットといえます。

しかし、現在のところ固定金利は上昇したものの、変動金利は大きな変化をしておらず、依然として低金利状態であることに変わりはありません。

そのため、買うべきかどうか迷っているなら、購入を先送りするよりも、住宅ローンがさほど上昇していない今のうちに購入することがおすすめです。

また、大村市では当面の間は人口減少に転じるリスクが少ないことから、不動産価格が一気に下がるよは考えにくい状況です。