空き家や古くなった家を建て替えたり、更地に戻したりするためには、解体工事を行う必要があります。
しかし、建物を解体する場合、工事費用がかかるほか、騒音の発生、廃棄物の処理など様々な点に注意しなければなりません。
また、解体費用や実施に必要な手続きは、地域によって少し異なるので、自治体独自の情報を把握しておくことが大切です。
そこで本記事では、大村市で家を解体する場合の手続きや費用相場について解説します。
家を解体する手順
家を解体したい場合、どのような手順で進めれば良いのか解説します。
家を解体する際の流れ
家を解体する際の基本的な流れは以下の通りです。
- 解体業者へ見積もりを依頼する
- 解体業者へ工事を発注する
- 解体工事の準備をする
- 解体工事を実施する
- 廃材処理・整地を行う
業者へ見積もり依頼し、工事発注する流れは家を建てたり、リフォームしたりするときとさほど変わりません。
ただし、解体工事を行う際は書類手続きのほか、近隣住宅へ工事案内配布など、事前準備が必要になる点に違いがあります。
また。解体によって多くの廃棄物が出ます。廃棄物は解体業者のほうで処理しますが、アスベストなどの有害物質を含む場合、処理ができない業者もあります。
アスベストは法改正により、規制が厳しくなっているので、通常より解体費も高額になるでしょう。
特に古い住宅の場合、含まれている可能性が高いので、ある程度、予算を多めに取っておくことをおすすめします。
解体業者の探し方
解体業者の探し方は複数ありますが、もっとも実施しやすいのはインターネット上で検索する方法でしょう。
インターネット上で解体業者を探す際は、その地域の解体業者のホームページを見たり、解体業者の比較見積もりサイトを利用したりする方法があります。
しかし、中には悪徳業者や不親切な業者がいることも事実です。
インターネット上ではなかなか見分けがつかないため、不安な場合は不動産会社やハウスメーカーなどへ相談し、紹介してもらうことをおすすめします。
また、業者によって価格が大きく異なるケースもあるため、できれば複数社から見積もりを得て、比較検討することをおすすめします。
家を解体する際に必要な手続き
家を解体する際に必要な手続きは、主に以下の4つです。
- 建設リサイクル法に関する手続き
- 道路使用許可の申請
- ガスや電気などライフラインの停止
- 近隣住民への説明
80㎡以上の建物を解体する場合、建設リサイクル法による届出が必要です。基本的に解体業者が行いますが、所有者も内容を把握しておくようにようにしましょう。
また、解体工事により公道を使用する場合は道路使用許可が必要となるので、申請を行わなければなりません。
物件の所有者としては、ガスや電気などライフラインの停止手続きを忘れずに行うようにしてください。
もし工事により騒音が発生するリスクがある場合は、トラブルに発展することがないように、近隣住民へ丁寧な説明をする必要があります。
家を解体する場合の費用相場
家の解体費用は主に解体する建物の面積によって変わります。
規模が小さな家より大きな家のほうが、解体にかかる時間や労力、廃棄物の処理量が増加するので、当然ながら費用も割高になります。
また、同じ大きさであっても建物の構造によって費用が異なることも覚えておきましょう。
一般的には木造が最も安く、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)の順に坪単価が高くなります。
それぞれの解体費用(坪単価)の目安は以下のとおりです。
- 木造 :約25,000~40,000円
- 鉄骨造:約35,000~60,000円
- RC造 :約45,000~80,000円
このほかにも、解体する建物の前面道路の幅、土地の形状、建材料などによっても価格は変化します。
特に前面道路の幅が非常に狭い場合や、複雑な構造をした家の場合、解体工事費が割高になりがちなのです。
こうしたケースでは、相場はあくまで参考程度に考え、しっかりと見積もりを取り価格を把握するようにしましょう。
大村市の解体費用の相場
大村市の解体相場はどの程度かかるのでしょうか。
「一般社団法人 あんしん解体業者認定協会」が運営する「解体無料見積ガイド」によると、大村市の木造、鉄骨造、RC造の解体費用相場(坪単価)は以下の通りです。
建物構造 | 坪単価(実勢価格) | 現場状況による費用の変動幅 |
木造 | 37,727円 | 35,727~39,726円 |
鉄骨造 | 31,953円 | 14,943~137,075円 |
RC造 | 41,178円 | 37,034~45,321円 |
木造は相場の範囲内、鉄骨造とRC造は相場より低い傾向にあります。
一般的な戸建て住宅の場合、木造の解体が多いので、平均的な解体費用がかかるものと考えましょう。
一方、アパートやマンションのような集合住宅は、鉄骨造やRC造が多いので、一般的な相場よりも安く実施できる可能性があります。
ただし、人件費や廃棄物の処分費は上昇傾向にあるので、今後はさらにコスト増となることが予想されます。
大村市で家を解体する場合に使える補助金
最後に大村市が設けている家の解体に関わる補助金として「木造の耐震改修に伴う補助金」があげられます。
大村市に耐震診断を申し込んだ場合、耐震診断費の一部を助成する制度であり、昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅が対象となっています。
市に耐震診断を申し込んだ場合の費用は61,500円ですが、うち41,000円を助成されるため、自己負担額は20,500円となります。
木造住宅を建て替えたり、一部を解体して耐震改修を行ったりする場合に、有効活用できる制度といえるでしょう。
詳しくは以下、大村市のホームページよりご確認ください。
まとめ
空き家の増加が社会問題化している昨今、特に築年数の古い戸建ての解体は、今後増えることが予想されます。
例えば急に親が亡くなり実家を相続した場合など、活用方法がないために家を解体しなければならないケースも考えられます。
もし家を相続する可能性のある方は、いざというときに備えて、解体の方法や費用相場を把握しておくことをおすすめします。