長崎県大村市は長崎県の中央に位置する人口約9万8,000人の都市です。長崎市をはじめ近隣の市や町への通勤通学が可能なため、県内からの転入者が多い町です。

また、2022年秋には新幹線が開通するという交通アクセスのよさから、大都市圏からの転入者も期待されます。

そんな大村市での暮らしを検討されている方のために、大村市の不動産事情や不動産を購入するにあたっての費用について紹介します。

大村市で暮らす住まいの選択肢とは

大村市で暮らすにはどのような選択肢があるのでしょうか。

一戸建て住宅

一戸建て住宅は「注文住宅」「建売住宅」「中古住宅」の3種類があります。

法律では、「新築とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く)」と定義されており、未入居であっても、建築から1年を経過した住宅は中古住宅とみなされます。

国土交通省の「人の住まい方」によると、住宅を所有したいと考えている人の割合は6割を超え、所有したい住宅の形態については、新築一戸建てを選択する人の割合が半数以上です。

国土交通省 人の住まい方 より

中古住宅の需要が高まっているとはいえ、まだまだ新築戸建て希望の人が多いことが分かります。

マンション

マンションは、区分所有される「分譲マンション」と、賃貸される「賃貸マンション」に分類されますが、単にマンションといえば分譲マンションを指します。

分譲マンションは、購入者が長期にわたって生活する前提で建てられているため、共有スペースや付帯設備が充実していることが特徴です。

構造は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造といった耐火構造の3階建て以上で、建物の修繕が計画的に行われます。

空き家

空き家には、倒壊の危険、治安・景観の悪化といった懸念があるため、2015年に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、各自治体での取り組みが活発化している状況です。

大村市においても、「大村市空家等対策計画」が策定され、対策に向けた助成や官民による空き家情報の提供といった取り組みが行われています。

空き家は中古住宅と比べても大変安く購入できる場合があります。購入後に手直ししたとしても比較的安価で手に入れることができるでしょう。

賃貸住宅

転勤などで一時的に生活する場合は賃貸住宅を選択することが多いでしょう。

アパートとマンションには明確な定義はなく、一般的に、アパートは木造や軽量鉄骨造、マンションは鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造、鉄骨造と区別しますが、あくまで一般的な区別となっています。

もちろん購入資金は不要ですが、初期費用として家賃の約4~5カ月分が必要です。

大村市は一戸建て住宅が多い?

大村市は比較的一戸建て住宅が多い地域です。さまざまなデータから大村市の住宅事情について紹介します。

持ち家比率は6割以上

総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、借家に住む若年世帯が多い都市部と比べて、地方の持ち家比率は高くなる傾向にあります。

長崎県内の主要地域の持ち家比率は下表のとおりです。

市区町村持ち家比率(%)
長崎市58.5
佐世保市56.8
諫早市64.6
大村市62.9

大村市の持ち家比率は6割を超え、長崎県のなかでも高いことが分かります。

着工数の6割以上が一戸建て住宅

大村市における一戸建て住宅の着工割合を見てみます。

同じく「平成30年住宅・土地統計調査」から県内の主要地域内で、着工された建物のうち、一戸建て住宅の割合は下表のとおりです。

市区町村一戸建て住宅の割合(%)
長崎市52.8
佐世保市58.2
諫早市66.0
大村市66.5

大村市は諫早市とともに一戸建て住宅が建てられた割合が高いことが分かります。一方、長崎市では商業施設や共同住宅も多く、一戸建て住宅の割合が少なくなっています。

一戸建て住宅の延べ床面積

最後に1住宅当たりの延べ面積を見てみます。大村市を含む主要地域については下記表のとおりです。

市区町村1住宅当たりの延べ面積(㎡)
長崎市83.8
佐世保市90.1
諫早市100.9
大村市101.3

一般的に共同住宅より一戸建て住宅の方が、延べ面積は広い傾向にあります。一戸建て住宅の割合が多い大村市では延べ面積が長崎市に比べると約20㎡の差があります。

大村市の一戸建て住宅の価格。購入のための必要予算はいくら?

一戸建て住宅

一戸建て住宅を購入する場合、注文住宅と建売住宅のどちらを選択するかで必要となる予算が変わります。

ここでは、注文住宅と建売住宅の違いにも焦点をあてながら、大村市の一戸建て住宅の価格と必要予算について紹介します。

住宅取得にかかる費用

住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2020年度)」によると、注文住宅の建設費用の全国平均は約3,534万円で、長崎県の平均は約3,044万円です。

この数字はフラット35の利用者の平均です。実際の取引とは乖離する可能性もあります。

一方、建売住宅の所要資金の全国平均は約3,495万円で、長崎県の平均は約3,454万円となっています。

物件種別費用(全国平均)費用(長崎県の平均)
注文住宅3,534万円3,044万円
建売住宅3,495万円3,454万円

諸費用

住宅を購入する際に必要な諸費用は、下表のとおりです。物件価格の10%が相場といわれています。

住宅ローン関係事務取扱手数料、保証料、団体信用生命保険料など
登録免許税登記申請にかかる税金
司法書士報酬登記申請を依頼した時にかかる手数料
印紙税売買契約書に添付する収入印紙に課税される税金
不動産取得税不動産を取得した際にかかる税金
固定資産税都市計画税不動産を所有することで1年に1回かかる費用土地や中古住宅を買うときには、売主と按分する
仲介手数料注文住宅では、土地を仲介してくれた不動産会社に対する手数料
建売住宅の購入時は、仲介会社に対する手数料

必要予算は?

大村市で住宅を購入するために必要な費用が分かりました。

物件種別ごとにまとめると下表のとおりです。諸費用は物件価格の10%で計算します。

物件種別物件費用諸費用合計
注文住宅3,044万円304万円3,348万円
建売住宅3,454万円345万円3,799万円

また、同じく「フラット35利用者調査(2020年度)」によると、長崎県における住宅購入時の平均手付金は384万円です。物件価格の1割程度が相場になっています。

しかし、2022年現在では低金利を理由にフルローンで住宅購入される方も増えています。

まずはプロに相談してみよう

注文住宅には、内装・外装・間取りなどを自由に決められるというメリットがあり、建売住宅には、さまざまな打ち合わせの手間を省略できるというメリットがあります。

また、こだわりの家をつくりたい人には注文住宅がおすすめで、完成した建物を実際に見て選びたい人には建売住宅がおすすめです。

住宅購入は検討材料が大変多いです。まずは大村市の物件に詳しい不動産会社に相談してみましょう。希望エリアに絞った物件情報を得られるとともに、的確なアドバイスも受けられます。