大村市で空き家に住む場合のメリットやデメリットは?相談先も紹介
金銭面や立地条件を考えて、空き家の購入を検討する人がいます。近年は全国の自治体で空家対策が行われており、以前よりも建物の状態がよい空き家が増えています。
空き家に対して積極的に取り組んでいる長崎県大村市で空き家に住むメリット・デメリットと、その相談先について紹介します。
大村市の空き家に対する取り組み
2015年5月に「空室等対策の推進に関する特別措置法」が施行されてから、全国的に空家対策が進められてきました。この法律により、空き家のうち倒壊する可能性のあるものや地域の衛生の面から有害なもの、景観を損なうものを特定空家に指定できるようになりました。
特定空家に指定されると行政から指導や命令、必要な措置ができるようになっています。特定空家を管理することで、住みやすい環境を整えています。
大村市でも、積極的に空き家対策に取り組んでいます。ここでは大村市の空き家に対する取り組みについて紹介します。
適切な管理の推進
空き家を適切に管理するには所有者の自覚が欠かせません。住んでいた家が空き家になった場合に、維持管理などの負担が生じることや、周囲に悪影響を及ぼす可能性を自覚してもらう必要があります。
そこで大村市では、不良な空き家を未然に防ぐ取り組みとして、市の広報誌やホームページ、パンフレット等による周知啓発を行っています。
空き家の活用促進
大村市では、空き家の売買希望者や賃貸希望者のために、市のホームページで空き家の物件紹介や、移住・定住の情報提供をしています。
また、空き家は住宅以外にも、地域交流や地域活性化、福祉サービスなどの場として活用できます。市が直接活用する場合もありますが、地域住民や事業者に対して利用を促す活動も行っています。
その一環として、「公益社団法人 大村市シルバー人材センター」と空き家の適正管理に関する協定を結んでいます。シルバー人材センターでは、空き家の見回りのほか、敷地内の除草や清掃、樹木の伐採や剪定などを行っています。これらによって、空き家が良い状態に保たれています。
空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除
大村市に限りませんが、「空き家の発生を抑制するための特別措置」があります。空き家を相続した人を対象に、条件はありますが、空き家や空き地を譲渡した時の所得を3,000万円控除してもらえます。
これにより、税金の負担が軽くなるため、空き家が売却しやすくなります。
空き家に住むメリットデメリット
空き家に住むことでどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
空き家に住むメリット
空き家に住むメリットについて紹介します。
安く購入、賃貸できる
空き家に住むメリットはなんといっても安いということではないでしょうか。空き家は新築物件の半額以下で購入することも可能です。
中古物件よりもさらに安い価格で購入できます。気になるところはリフォームやリノベーションで修繕したとしても、割安で住むことができます。
また、新築物件と同じ金額を出せば、広い土地を確保することもできます。広い土地であれば、大きい家や広い駐車場、広い庭などさまざまな活用方法があります。
リフォームは国や自治体から補助金が出ることもある
リフォームする際には、一定の条件をクリアすると、国から「長期優良住宅化リフォーム推進事業」により補助金が受けられます。
また大村市でも、「大村市住宅性能向上リフォーム支援事業」を行っていましたが、2022年2月現在は募集が終了しています。今後も同様の支援が予想されますので、市に相談してみてもよいでしょう。
制度を利用するには一定の条件が必要なため、制度に詳しい地元の不動産会社に相談することをおすすめします。
立地条件が良い場合が多い
空き家は築年数がたっている場合が多いです。昔から存在する建物はよい土地に建てられている可能性が高いです。家は条件が良いところから建てられますし、家があるところから発展していきます。
古い空き家は、駅の近くなど利便性が良い可能性が高くなります。
空き家に住むデメリット
空き家に住むデメリットについて紹介します。
修繕費が高くなる場合もある
空き家は、放置されていた期間によっては、修繕しないと住めない可能性があります。
カビや結露で柱が腐っていたり、雨漏りしている可能性もあります。水回りの交換も必要かもしれません。給湯器などは、古いままだと危険なものもあるので、点検が必要です。
ある程度住めるようになるまでは、別の場所で暮らさなければいけなくなるかもしれません。その場合は別途宿泊費が発生します。
耐震強度が低いかもしれない
空き家は建てられた当時の法律によって建てられています。昔の耐震基準は今より耐震性が低かったため、耐震強度が低い可能性があります。
耐震強度が低い場合には、安全のために耐震補強工事が必要です。
耐震強度は自分では判断できないため、調査を依頼する必要があります。耐震性は補助金や保険の条件になることもあるので、売買前に調査することをおすすめします。
老朽化するペースが早いかもしれない
空き家は、さまざまなところで不具合が発生している可能性があります。目に見えないところに不具合が発生していると、発見が遅れてしまいます。その不具合が原因で他のヵ所に悪影響が及ぶ可能性すらあります。
そうならないためにも、売買前に専門家などに調査してもらうことをおすすめします。
空き家情報は見つけにくい
空き家を保有している人は、「こんな古い家に価値はない」「思い出がある家なのでなんとなく手放したくない」などの理由で売却に積極的でないこともあります。せっかく売却することに踏み切っても、不親切な不動産会社に相談してしまうと、「この状態では売れません」などと売却仲介を断られてしまうこともあり、諦めている所有者もいます。
しかし、「空室等対策の推進に関する特別措置法」の施行によって改善されてきています。大村市でも、市の取り組みなどによって売却希望件数が増えています。
大村市の空き家に住みたいときはどうすればいい?
大村市で空き家に住みたい場合はどのような選択肢があるのでしょうか。
市に相談する
大村市では空き家の利活用や移住に力を入れています。オンライン移住相談も受け付けているので、移住に関する悩み事や不安に親切に回答してもらえます。
また、大村市では「おおむらくらしのおおくらさん」という移住・定住サポートのホームページを開設しています。空き家に限らず、移住や定住を考えている人向けに、大村市の魅力を発信しています。
移住希望者は「お試し住宅」で短期間滞在してみるものおすすめです。外から見るだけでは、わからない魅力が発見できるかもしれません。
就職先が決まっていない人は「移住支援金」の活用もおすすめです。登録されている企業に就職した場合には「移住支援金」を受け取れます。
空き家バンクを利用する
空き家を探すのであれば、空き家バンクを利用する方法があります。空き家バンクの情報はインターネットで検索すればすぐに調べられます。
空き家バンクは自治体が主体となって運営しているので、手数料が不要の場合もあります。空き家解消は自治体にとっても嬉しいことなので、もっとよい条件で借りられたり、買ったりできる場合もあります。
しかし、空き家バンクの場合、仲介者がいないので所有者と直接交渉になります。素人同士ではトラブルが発生する可能性もあります。また、空き家バンクの情報だけでは不十分な場合が多く、詳しい情報は自分で確認する必要があります。
なお、大村市の空き家情報については、「たっけんくんネットながさき」に物件が掲載されているので確認してみてください。
地元の不動産会社に相談する
地元の住環境に1番詳しいのはやはり、地元の不動産会社です。住みたい地域がある程度絞れているなら、地元の不動産会社に相談することをおすすめします。
地元の不動産会社は不動産だけでなく地理も把握しているので、その地域に住むメリットなども教えてもらえます。また、空き家以外の知識も豊富なため、別の選択肢を提示してもらえるかもしれません。
地元の不動産会社を活用しましょう。